携帯メール




夜空を仰いで深く深呼吸して家に戻ると
ご主人様がメッセに姿を現した

「携帯メールのアド作ったんだ」

私は教えて欲しいと言った
アドレスがメッセの画面に打ち出された

私はそれを間違わないように自分の携帯へ打ち込んだ

「お前のもおしえてよ」

と言われたので喜んで 自分のアドレスを打ち込んだ

「送ってみた」

と言ってからちょっとして携帯が鳴った
”届いたかな?”と入っていた

私もそれに返信した
”初めての ○○○大好き”

恐る恐るメッセを見ていると

「きた お前 打つの早いな」

「早くないよ メール全然しないから 遅いの」
「右手で打つ?左手で打つ? あたしは左手なんだ」

暫くして

「左」

なんだか嬉しくなった
ほとんどの人は右手で打つ

でも私たちは同じ左手で文字を生み出す

やっと携帯メールができるようになった
またひとつご主人様との間に大事なものが積み重なった



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